サンクリからバスで約12時間移動してきてオアハカにいます。
オアハカ周辺の民芸品のひとつにアレブリヘス(alebrijes)と呼ばれている木工の品(オアハカ・ウッド・カービング)があります。
サン・マルティン・ティルカヘテ村にはアレブリヘス(オアハカ・ウッド・カービング)の工房がたくさんあることで有名です。
オアハカからサン・マルティン・ティルカヘテ村への行き方や「アレブリヘスとはいったい何?」について紹介していきます。
サン・マルティン・ティルカヘテ村
サン・マルティン・ティルカヘテ村にはアレブリヘスの超有名な職人がいるらしく工房も素晴らしいとか(というか自分は村ついてからその事実をしったんですがね)。
その工房の名がハコボ&マリア・アンヘレス(Jacobo y Maria Angeles)です。
村にはアレブリヘスの工房がいくつもあって、自分が行ったときは土曜日だったので閉まっている工房もありました。
何件かアレブリヘスの工房を行ってみましたが、多くのアレブリヘスの工房は家族経営でした。
その中で、一番成功しているのがハコボ&マリア・アンヘレス工房。
ハコボ&マリア・アンヘレス工房では社会見学のように説明してくれる人が付いて工房を案内してくれます。
正直、サン・マルティン・ティルカヘテ村に行く前にあまり調べもせず、なんかアレブリヘスの有名な工房があるらしいというぐらいの知識しかなくサン・マルティン・ティルカヘテ村に行ってしまったのですが
村に着いてコーラーを買いに行った商店で出会ったおばあちゃんがハコボ&マリア・アンヘレス工房まで連れて行ってくれました。
途中でアイスおごってくれたり。「俺が払うよ」といっても「いいから、いいから食べなさい」と、この出会いが無かったらハコボ&マリア・アンヘレス工房には行っていなかったかもしれない。
ありがとう、おばあちゃん。
ハコボ&マリア・アンヘレス工房見学
ハコボ&マリア・アンヘレス工房に着いたときにはメキシコ人や欧米人の観光客がたくさんいて工房内を見学していた。
私にも一人案内人がついてくれて、工房を歩きながらアレブリヘスの製作工程などの説明をしてくれた。
スペイン語で対応してもらったので、英語で案内してくれる人がいるかどうかはわかりません。
アレブリヘス製作の作業している人にも質問することができて、「何年くらい働いてるの?」「この作業するまでどれくらいの年月がかかるの?」「このアレブリヘスはどのくらいの期間で完成するの?」などなど、作業を止めて親切に答えてくれました。
ハコボ&マリア・アンヘレス工房は規模も大きく、アレブリヘスの製作は削り・補修(乾燥させた後のヒビなど)・塗りなど完全分業ぽかったです。
オーダーメイドのアレブリヘスも多そうで、行った時にはそれなりの大きさ以上のアレブリヘスしか作っていませんでした。
アレブリヘスの大きさによりますが、数か月天日干しのあと陰干し、そしてひび割れなどの補修後、塗りに入りますが、その塗も細かいので時間がとてもかかります。
完成までに一年から数年かかるアレブリヘスもあるとか。
ハコボ&マリア・アンヘレス工房では塗りの際に使われる模様やガラは先住民族が使っていた模様やガラを用いたりしていて、それぞれの模様やガラに意味を持っていたりするそうです。
自分が行った時にはアレブリヘスの塗りの体験か講習をしていました。
オアハカからサン・マルティン・ティルカヘテ村への行き方
私が行ったオアハカからサン・マルティン・ティルカヘテ村への行き方は、オアハカの街南西にあるアバストス市場(2等バスターミナルそばにある市場)近くのビクトリア通りから出ている乗り合いタクシーに乗って行きました。
[st-cmemo fontawesome=”fa-exclamation-circle” iconcolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” color=”#000000″ iconsize=”100″]アバストス市場の周辺はちょっと治安が良くないみたいなので行くときは注意してください。[/st-cmemo]
乗り合いタクシーはサン・マルティン・ティルカヘテ村行きは無く、オコトゥラン(Ocotlán)行きに乗って途中下車する感じです。
乗り合いタクシーの行き先の見かたはフロントガラス上部に行き先の地名が書かれています。
運転手に「サン・マルティン・ティルカヘテ村まで」と伝えるとその場所で降ろしてくれますが、サン・マルティン・ティルカヘテ村が近づくと「Bienvenidos a San Martin Tilcajete」なんて大きな看板を見ることができるので、寝ていない限りは気づくと思います。
料金は25ペソで先払いです。
乗り合いタクシーは客が5人集まるまで出発しません。
後部座席に3人と助手席に2人乗ります。ガタイのよい人が助手席に座ると結構しんどいかもしれません。
サン・マルティン・ティルカヘテ村は幹線道路(乗り合いタクシーを下車するところ)から1km程度離れたところにあります。
乗り合いタクシーを降りてからは、歩いて行くかモトタクシー(トゥクトゥク)乗って村へ行きます。モトタクシーの料金6ペソ。
帰りは幹線道路でオアハカ行きのバス又は乗り合いタクシーを拾う感じになります。
たまにサン・マルティン・ティルカヘテ村内を乗り合いタクシーが走っていることもあるので運がよければサン・マルティン・ティルカヘテ村内で乗り合いタクシーに乗ることができます。
アレブリヘスとは
映画リメンバーミー(原題Coco)が日本でも人気になって、メキシコ文化そしてアレブリヘスを知った人も多くいると思います。
オアハカに限らずメキシコ全土のお土産屋さんで見かけることが多いとてもカラフルにペイントされた鮮やかな動物(ユニコーンなどの空想動物も含む)の木工の民芸品。
そういった木工品をアレブリヘス(alebrijes)と呼んでいます。
ですが、実はこのアレブリヘス(alebrijes)という言葉、正式に木工民芸品を指す言葉ではないのです。
アレブリヘス(alebrijesは複数形で単数形だとアレブリヘ)はメキシコの張り子職人Pedro Linares López氏が重い病を患い、その時に見た夢または幻覚に出てきた奇妙な生き物たちが叫んでいた言葉が「アレブリヘス」。
病気から回復した彼はその奇妙な生き物たちを張り子で製作し「アレブリヘ」と名付けたのが由来らしいです。
その後、アレブリヘは一つのジャンルとして定着するようになりました。
アレブリヘスがポピュラーな存在になって、オアハカの木彫りの職人たちがその色使いや奇抜な怪物を木彫りで作るようになりアレブリヘスの由来とは関係なく定着していきました。
現在ではカラフルにペイントされた動物やガイコツにも「アレブリヘス」と呼んだりします。
アレブリヘスという固有名詞が使われているのは完全に商業的な意図(商用のキャッチ)ですね。
こういった歴史を知っている人はオアハカ周辺の木工品をアレブリヘスとは言わずにオアハカ・ウッド・カーヴィングと言っているそうです。